ムスリム(イスラム教徒)への対応は難しい?

訪日外国人観光客の増加や、2019年の入管法改正による外国人労働者の増加については各種報道でも大きく取り上げられています。

今後観光や就労などの目的で来日する外国人の数は増えていくでしょう。

一方でムスリム(イスラム教徒)の人口は増加しています。

2010年の統計では16億人と言われており、2030年には20億人を突破するのではないか、ともいわれています。

「イスラームは遠い国の話、ムスリム(イスラム教徒)と接することなんてない」と考える方もまだ多くいらっしゃいます。

しかし今後日本に来る外国人が増えていくと、彼らをお客様として迎えたり、同じ職場で働くこともあるかもしれません。

「遠い国の話」ではなく、身近な話になるかもしれません。

そのイメージは本当に正しいのか?

これまでイスラームというと、「アラビアンナイト」「砂漠をラクダに乗って移動する人々」というイメージや、9.11以降は「テロ」「怖い」というイメージを持たれることがよくありました。

しかしこのようなイメージは現在の大部分のムスリム(イスラム教徒)には当てはまりません。

まず現在ではムスリムは中東地域以外にも大勢います。

ムスリム人口を最も多く抱える国はインドネシアです。

当然日本にも暮らしており、日本国籍を持つムスリムもいます。

また、イスラームを国教とする国やムスリムが大多数を占める国の中には国内情勢が不安定な国もありますが、多くの国では普通の生活が営める状態です。

「少しでも間違ったことをしてしまったら怒りだして国際問題になるんじゃないか」と心配される方もいます。

私自身これまで多くのムスリムと関わってきましたが、こういったことはありませんでした。

普通に接しているのであれば問題になるようなことは、まずないでしょう。

もし判断に悩むことがあれば、本人に確認すれば教えてくれます。

まずは知ることから始めよう。

友人や同僚として接するのであれば、相手への敬意を持ち、マナーを守ることが大切で、イスラームの知識はなくてもよいと思います。

もしお客様として迎えたり、雇用主の立場であれば、多少イスラームの知識を持っていると、よりコミュニケーションが取りやすくなります。

イスラームは日常生活の中に宗教的な意味を持つ行為が含まれていますので、知っていると理解がしやすくなります。

特に従業員としてムスリムを雇う場合、礼拝や断食など、馴染みのない行為があるので戸惑うこともあるかもしれません。

こういったことも事前にしっかり話し合うことで対応できます。

いきなり否定するのではなく、彼らの要望と、会社ができることの妥協点を探すことから始めてはいかがでしょうか。

冒頭にも書いたように、今後はムスリムと接する機会は増えていくと考えられます。

自分にとって馴染みのない習慣は異質なものに感じてしまいがちですが、その習慣を持つ人達にとっては重要なものだったりします。

知らないことや分からないことは「怖い」という感情を膨らませてしまいますが、一旦知ってしまえば何ということもなかったりします。

「なぜ?」と思うことがあれば聞いてみてください。

まずは知ることから始めましょう。